シュトレンについて
街はそろそろクリスマスシーズンとなり、そろそろいろんなお店にシュトレンが並び始める頃ですね。こ…
親切、懇切、と同じように、大切という言葉の中には「切る」という文字が使われていて、それぞれの語源もやはり、この切るという字の刃物をぴたりと当てている様子から発生したとのこと。
身にしみて強く感じるさま、差し迫っているさま、ひたむきで心をこめているさま、などなど。
昔、日本にアムール【amor】という言葉が入ってきた時は「愛」とは訳さず「大切」と訳したのだそうです。
日本ではまだ「愛」という言葉はLOVEというより愛欲というようなちょっとよくない(?)意味合いのほうが強かったからだそうです。
昔、とある本でこの事を知った時、はっ!として、そうか、そういうことだったのかと、符丁が一致した事がありました。
こちらは、一握の砂より。
>かの時に言ひそびれたる
>大切の言葉は今も
>胸に残れど
なぜどうして《大切な言葉》ではなくて《大切の言葉》なのか。
当時は助詞の活用と変換の関係だろうと深く考えもしませんでしたが
「大切」という言葉がその当時LOVEという意味合いだったのだとしたら、それなら、なるほどそうなのかと。
>あの時言えなかった大切な言葉が今もずっとまだ胸に残っているけれど、
と、昔、文章そのまんまの意味に私が捉えていたのは、実は間違いで、
>あの時、あなたが好きですと言えなかったことが、今もまだ引きずっている、
というのが啄木の意図した意味だったらしい。
勘違いしていた自分が想像していた「大切な言葉」の中身も、結局はつまるところ同じI LOVE YOUだけど、
「愛してる」という言葉より、「あなたに伝えたかった大切な言葉」の方が、
なんだろなんだろ!?何何?と想像力を掻き立てられて心の奥深くグッとくるので、
勘違いしたままでいたかったような気がしたのでした。
100年ちょっとの間にも日本語はこうも変わるのですね。
現代の大切という単語は、1世紀ちょっと前までは、LOVEという意味だった。
そして1世紀ちょっと前の愛という単語は現代のLOVEとはニュアンスが全然違ってた。
まもなくバレンタインディ。
アムールドショコラの広告を目にし始めると、アムール。。。と、毎年思い出しているのがこのエピソードです。
まもなく、世の中様々な想いの詰まったチョコレートが行き来することと思います。
私事ながら、まもなく長女の結婚式です。
先日、自宅の廊下で父娘は仲良く腕を組んでバージンロードを歩く練習をしていました。
当日、主人はおそらく泣いちゃうでしょう。(笑)
娘には遠方にいる父へチョコを送ってあげるように伝えました。
私も別口で送ってあげることにします。
2月の店内は特にバレンタインを意識はしませんが、チョコレートのお菓子はなにかひとつ並べたいなと思います。