晩秋のたまねぎ
地味だけれど、滋味深くとってもおいしい玉ねぎのパイ。透き通って甘くなるまで炒めた玉ねぎ…
モモフクのお菓子に使うバターは3種を使い分けているのですが、そのうちのひとつがただいま品薄状態です。
そろそろ仕込みたいふたつのフルーツケーキやサブレに取り掛かることができません。
ドライフルーツは秋の初めに仕込みが終わり、あとは出番を待つだけなのですけれど、仕方がないので気長に待っているところ。
とっても希少な特別なバターなのかというとそういうわけではないのですけれど、やはりこのお菓子にはこれでないと、というものを選んで作っています。
バターって、はたしてそんなに味が違うものなのか、なかなか数種を食べ比べるような機会はやってこないものですけれど、やはり違いはありますし、焼き菓子は特にそのできばえが変わります。一番わかりやすいのはフィナンシェでしょうか。
小さな酪農メーカーが昔ながらのチャーニング製法で作っているバターと、大手のメーカーが最新設備の工場で作っているバターが手元にあるとする。これらを同時に火を入れてブールノワゼットを作っていくと、完成するまでのお鍋の中の変化の様子があまりに違うので初めての方はきっとドキドキされることでしょう。水分、有機物の量の違いによるものなのですが、本当にビックリすると思いますので、お菓子を作ることが好きな方には是非一度実験していただきたいと思っています。
それと、発酵バターはメーカーによって発酵加減の差でかなり匂いや味わいが違います。
そして、お菓子に使うバターは、お値段が高いものを使うとそれに比例してお菓子の味わいも増すかというと、ちょっと違うと私は感じます。例えば有名どころでいうとエシレバター、国産ではカルピスバター。私は、この二つを最大限に美味しく味わう方法は美味しい焼きたてバゲットを買ってきて塗って食べる、に尽きると思っています。拍子抜けするようなことを書いてしまいましたが、でも事実。さっぱりとくどくないタイプの繊細な味わいはお菓子の様々な材料と混ぜるよりも、そのままが一番味がわかりやすいもの。
そしてもうひとつ、よく耳にするグラスフェッドバターについて。これは牧草を食べている牛さんのミルクで作ったバターのことで、穀物を食べている牛さんのミルクよりもカロチンやビタミンが豊富。それに由来して色もカロチンの黄みがかっています。
主な有名どころはニュージーランドのアンカーバターでしょうか。詳細を忘れてしまいましたが、フランスの海沿いで草を食んで暮らしている牛さんのミルクで作ったバターはもとよりほんのり塩味がするのだとか。
初秋に出かけた香港では、フレンチトーストやパイナップルパン等、たっぷりのバターとともに登場してくるものが結構多かったです。市場流通の主流はアンカーバターのもよう。スーパーでもよく見かけました。表記は安佳牛油。^^ 素敵な当て字だなと思いました。
と、とりとめもなく本日はバターについて書いてみました。