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コーヒーの話 その2


九十九里海岸です。
いつだったか読んだエッセイ。夏の暑い日にツーリングに来た片岡義男さんは、
たまたま目に入った少しさびれた雰囲気のある喫茶店に入る。
オーナーはけだるげな雰囲気の若くはない女性。そして「熱いコーヒー」とオーダーする。
運ばれてきたのはアイスコーヒー。熱いコーヒーをオーダーしたのだが、と伝えたところ
ちょっと不機嫌な表情となった店主はそのアイスコーヒーを下げ、ほどなくして熱いコーヒーを持ってきた。
飲みおわって、店を出て、カンカン照りの駐車場へ出た時、何かがおかしいと感じた彼は気付く。
あれは、アイスコーヒーを温めた熱いコーヒーだったということに。
ほくそ笑む店主の顔を想像し、してやられたな、とニヤッと笑う。

確か、こんな話でした。

実家が千葉の私は、九十九里沿いの波乗り道路及びその周辺によくドライブに行きました。
当時運転していたのは父の友人のお下がりでもらい受けたマニュアルの今は無きトヨタのカムリ。
全然若い女の子らしくない車でしたが乗りやすかったです。


当時から片岡さんを愛読していた私は、外房に来るたびにこの話を思い出し、その喫茶店はどこにあったのかしらと
何気なく探してしまったものでした。片岡さんは、コーヒーにまつわる物語が多く、
実はその影響で、私は夏でもコーヒーはホットを飲みます。
昔、北青山のレイニーディブックストアカフェで、片岡さんが入れて下さったコーヒーを飲んだことは、大切な思い出。
彼の小説に登場するような女性になりたいと願いながら憧れていたのもいい思い出です。とうとう叶いませんでしたが (^-^;
でも、自分の作ったアップルパイを食べていただきたいなぁ、なんて秋が来ると、たまに夢を見ています。

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